C h a p t e r 1   あり方が見つからないとき

数字を追う仕事に、限界がきた

銀行を3年で辞めた理由

20代の頃。 私は大学卒業後、地元・茨城の地方銀行に就職しました。 安定した職業、しっかりとした給与体系、そして何より「一流企業に入った」という安心感。 親も喜んでくれていましたし、世間的にも“ちゃんとした道を歩いている”ように見えたと思います。

最初のうちは、銀行マンとして一人前になろうと懸命に仕事に取り組みました。

でも、ある日ふと、心にポツンと“影”のようなものが浮かび上がったんです。

「このまま40歳、50歳になったとき、どんな自分になっているんだろう?」

支店長になるか、本部に異動するか、安定はしているかもしれない。

でも、どうしても“未来にワクワクできない”自分がそこにいました。

そしてもうひとつ── 営業という仕事に、私は心と体の限界を感じていました。

数字を追いかける毎日。

ノルマを達成するために、頭では「お客様のため」と思いながら、

実際には「目標をクリアしなければ」という焦りばかりが先に立つ。

本当は「相手にとって何が最善なのか?」を考えたいのに、 会議では数字ばかりが評価され、現場では成果だけが求められる。

だんだんと、心がすり減っていきました。

胃がキリキリと痛むようになり、胃に穴が開くほどのストレスを抱えていたのです。

そんな自分に気づいたとき、

「このままの働き方を続けていたら、自分の心と体が壊れてしまう」

そう強く感じました。

仕事に誇りがなかったわけではありません。

でも、「この先、何を実現したいのか?」と問われたとき、

明確な答えが自分の中にまったくなかった。

そして私は、3年で銀行を辞める決断をしました。

当時、周囲には驚かれましたが、 それは“逃げ”ではなく、“正直な自分”に立ち返った結果だったのです。

「数字だけを追う営業スタイルへの違和感」

「成果主義の中で自分らしさを失っていく恐怖」

これらが、のちに“あり方”を重視したコンサルティングスタイルへとつながっていきます。

この“最初の違和感”こそが、 草間輝之というコンサルタントの原点でした。