C h a p t e r 2   クライアントが続かないとき

構造はわかる。重みは、どうか

社長の悩みを、本当に理解できているか

「お金の悩みなら、わかります」

「人の悩みなら、わかります」

コンサルタントとして、

そう言いたくなる瞬間があります。

私は財務の専門家です。

お金の流れは、誰よりも見てきました。

でも、あるとき気づいたのです。

私がわかるのは、お金の「構造」です。

社長がわかっているのは、お金の「重み」です。

この二つは、まったく違います。

数字の上では、

「資金繰りはこう改善できます」と言えます。

でも、その数字の裏には、

社長が背負っている

従業員の生活があります。

家族の人生があります

眠れない夜があります。

その重みまで理解しないと、

本当の意味で伴走することはできません。

以前の私は、

「これは簡単に解決できます」と

軽々しく言ってしまうことがありました。

でも、社長にとっては、

簡単なことなど、ひとつもなかった。

理解した「つもり」で

アドバイスをすると、

どこかで噛み合わなくなります。

社長のことを、理解していない。

クライアント自身を、理解していない。

その状態で出す答えは、

どんなに正しくても、届きません。

だから私は、

答えを出す前に、まず理解に徹します。

この人は今、何を抱えているのか。

その重みは、どれほどのものか。

そこまで感じ取ろうとする。

今の私にとって、それが

本当に理解するということです。