C h a p t e r 5   役割に迷うとき

できないことを、はっきりさせる

スペシャリストであることの覚悟

「ゼネラリスト」

幅広い分野に対応できる人。

何でも、ある程度こなせる人

「スペシャリスト」

特定の分野を深く極めた人。

狭く、深く、その道のプロ

私は、ゼネラリストではありません。

何でもできます、とは言いません。

財務という専門分野に、徹しています。

20年以上前、コーチングを学び始めました。

それは、自分の専門性をどこに置くかを考えるきっかけとなりました。

たどり着いた答えは、

「広く浅く」ではなく「狭く深く」でした。

スペシャリストであるとは、

できることを増やすことではありません。

むしろ、できないことを

はっきりさせることです。

「これは私の専門です」

「これは、専門の方にお任せします」

その線引きができること。

それが、プロの覚悟だと思っています。

なんでも引き受けるのは、

一見、親切に見えます。

でも実は、

どれも中途半端になるリスクがあります。

そして何より、

「なんでもできます」という姿勢の奥には、

「嫌われたくない」という

自分目線が隠れていることがあります。

以前の私が、そうでした。

断ったら、契約を切られるのではないか。

できないと言ったら、見限られるのではないか。

その恐怖から、

なんでも引き受けようとしていました。

でも今は違います。

自分の専門に徹する。

できないことは、正直に伝える。

それは、無責任ではありません。

むしろ、クライアントへの誠実さです。

専門に徹するからこそ、

その分野で代えがきかない存在になれる。

今の私にとって、それが

スペシャリストであることの覚悟です。